ポルトガルにて①
私は今、とある交換留学プログラムに参加している。
それまでは、外を出て5歩歩くだけで財布が無くなるような世界なんか末恐ろしくて行けるものかと思っていたものだが、飛行機代15万円に生活費8万円くれると言われると途端に乗り気になるのだから、やはり人間金で如何ようにも変わることが出来るのである。
行き先はポルトガル。たった2週間の短期留学で、私としてはもらったプログラムのどのコマにも興味が沸かないのだが、日本から離れて研究対象の生物を捕獲するということには唯一胸が高鳴るものがあった。
現在宿泊先のドミトリーでブログを書いている。小粋に旅日記を毎日付けようか勘案し続けた結果、何もせず5日が過ぎてしまった。暇つぶしに見ていたはてなブックマークに影響されて、なんとなくまた日記をつけはじめたくなった。まぁいつでも辞められるブログなら毒にも薬にもなるまい。
昨日は国際交流イベントが開催され、ロシアだのブラジルだのヨーロッパ諸国だのカメルーンだの韓国だのから来た留学生達がお国自慢を15分ずつ喋り散らすだけのイベントだったが、我が国日本から来た他の留学プログラム参加者はそれなりに他国の人間と会話をし、立派に国際交流をこなしているようだった。
私はといえば、元来人前で喋ることは大好きな代わりに初対面の人と会話することに恐怖を覚える性分で、どうもイベントの合間の休憩時間などはトイレに立った後は会場の隅っこではてなブログのコメントなぞ読んでニヒニヒニヤついているだけなのである。
真面目な事を考え始めると、大学院博士課程1年目の学生が学振の申請書の草案も論文の原稿も上げずにポルトガルで2週間ダラダラと過ごしている事実が将来への不安となって心臓が押しつぶされそうになるのでやめる。今は特に何も考えずにニヘラニヘラ風に流されるように生きていきたい。
昨日はポルトガルはファロの旧市街のやや北にあるA VENDAというレストランに入った。お昼はランチメニューが決まっているらしい。
まずはスープ。人参のポタージュ?トマトも入ってるっぽい。優しい味。散らしてあるネギが凄くいい仕事をしている。パンを浸してもおいしい。
続いてメインディッシュ。豚肉とサラダと芋の付け合せ。豚肉はローズマリーとローリエで香りを付けてじっくり焼いてある。これが凄くおいしい。芋も紫芋・じゃがいも・さつまいものような甘い芋が混じっててどれもおいしい。
支払いは6ユーロだった。細かい小銭が無くてチップで1ユーロも払ってしまった。
今日も飯がうまくて良かった。